現在私は卒後7年目です。入局後3年目から大学院に進学し、内耳再生の基礎研究を中心に充実した生活を送っています。耳鼻咽喉科医を志した理由は、学生時代に人工内耳埋め込み術で聴力が回復した患者さんがいると知ったことがきっかけでした。ヒトの聴力は一度障害を受けると回復しません。それを人工内耳というデバイスを埋め込むことで改善させることができることにとても魅力を感じました。また、聴覚以外にも平衡覚、嗅覚、味覚、嚥下、発声など、人のQOLを改善することができる領域を数多く担っていることも、耳鼻咽喉科の大きな魅力です。
医師として臨床業務を行う中、さまざまな疑問が浮かんでは論文を読むという機会が増えてきました。そのような中、臨床につながる基礎研究に関する論文を読むことで、医療を向上させる可能性を生み出す基礎研究に興味がわき、大学院進学に至りました。耳鼻咽喉科医として外来で臨床業務及び当直業務を行うことで、生活面での不安はなく、研究に集中できる環境です。
研究には興味がない、役に立たないというイメージを持っている医大生、研修医の先生方もいるかもしれません。しかし、研究をすることで医師としての幅が広がると私は考えています。わからないことを解決するにはどうしたらよいか、というリサーチ・マインドを養うこともできます。また、研究を通じて基礎研究の先生方、そして世界中の夢と情熱を持った耳鼻咽喉科医と繋がり合うこともできます。
耳鼻咽喉科に興味のある方、耳鼻咽喉科基礎研究に興味のある方は、是非一度見学に来てください。