音声

担当医師
上村裕和蓮川昭仁

はじめに

音声外来は、発声時の声の異常を診る外来です。
症状としては声がかすれる、声が出ないといったものです。

疾患

器質的音声障害では、声帯を中心とする発声器官に何らかの異常が認められる場合です。代表的なものとして、喉頭炎、喉頭浮腫、声帯ポリープ(図1)、声帯結節、ポリープ様声帯(図2)、喉頭肉芽腫、声帯麻痺(図3)、喉頭腫瘍などがあります。その他に声が詰まるといった痙攣性発声障害、機能性発声障害としての心因性発声障害もあります。また、加齢による声帯萎縮、口の渇きなどもかすれの原因になります。

診察

診察では、まず問診で職業による声の酷使や喫煙歴などのチェックをさせていただき、次に喉頭内視鏡(ファイバー)を用いて声帯の可動性や病変の有無を確認して診断し、日々の生活のアドバイスや外科的治療の必要性を検討し、診療しています。

治療

当科における手術治療としては、声帯ポリープ(、ポリープ様声帯などに対する喉頭直達鏡下手術(全身麻酔) (図1、2)や、声帯麻痺に対する音声改善手術(局所麻酔) (図3)などを中心に行っています。

図1:声帯ポリープ


左声帯にポリープを認める


喉頭直達鏡下でポリープ切除後

図2:ポリープ様声帯


両側声帯にポリープ様声帯を認める


喉頭直達鏡下で切除後

図3:右声帯麻痺(甲状腺癌術後 左反回神経切断による)

※治療後:音声改善手術として甲状軟骨形成術Ⅰ型を施行

吸気時


治療前


治療後

治療後:右声帯の張りを認める

発声時


治療前


治療後

治療前:声帯間隙(すきま)を認め、声がかすれる
治療後:声帯間隙を認めない